6月30日(月)
服は、ただの布ではないと思います。
何を着るかというのは、何を食べるかや、どこに住むかと同じくらい、
自分という人間を静かに語る“言葉”のようなものだと、最近よく感じます。
若い頃は、好みであるというだけで服を選んでいました。
いろんな自分になりたくて、いろんなジャンルの服を買っていたような気がしますが、大人になってからは、“本当はどんなふうに在りたいか”に近づける服を選びたくなりました。
人にどう見られたいかではなく、自分がどう在りたいか、ということです。
たとえば、凛とした佇まいのある女性に惹かれます。
その人が何を言うかよりも、何も言わずにそこにいるだけで伝わってくる雰囲気に
強く心を動かされるのです。
そういう人の服は、たいていとてもシンプルで、さりげないのですが、
質感や形、少しの色使いに、芯の強さや静かな遊び心が漂っています。
私自身も、そうした「語らずして伝える」存在になれたらいいなと思っています。
ですので最近は、
・シルエットが美しくて動きやすい服
・ちょっと個性的だけど、派手すぎない色味
・誰かの手仕事が感じられるアクセサリー
といったものに自然と惹かれます。
鏡の前で着替えているときに、「なんか違うな…」と感じる服は、
その日一日、気持ちがそわそわしたまま終わってしまうことが多いです。
反対に、「あ、今日はこれだ」と思える日には、
自分の内側と外側がひとつにぴたりと重なって、
声まで少し澄んで聞こえるような気がするのです。
服というのは、“なりたい自分”を先に身にまとう魔法のようなものだと思います。
見た目を変えるとなんとなく態度も変わってくるものですし、
相手から見た自分の印象も変わります。
忙しさゆえに、心の声を聞かずにそこにある服に手を伸ばす日もありますが、
自分に正直な行動の積み重ねが、他人の目線に振り回されずに、
自分の感覚に信頼を置いて生きるということにつながっていくのだと感じています。
まだまだ、買ったあとしばらくするとしっくりこなくなる服もありますが
すこしの好きな服をずっと愛でていられる日々を目指して、精進しています。
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